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帰化を申請するために必要となる条件を詳しく解説
2022年09月21日ブログ
外国人であっても、日本に永住できるのはもちろん選挙権を得られたり、自由に職業を変えられたり、日本人と同じように生活する権利を与えられる制度があります。
これは「帰化」という制度で、申請をする際には必要な条件を満たしていなければなりませんが、申請者の状況によっては条件をクリアしていなくても例外的に申請できることもあります。
ここでは、帰化申請に必要な条件と、例外パターンを紹介するので参考にしてください。
帰化に必要な条件は六つある
帰化の申請で、申請者に必要とされている条件は六つありますが、厳密にいうと「日常生活を送る上で支障がない程度の日本語能力」も加えられます。
そのため、実質的には七つの条件がありますが、ここでは法律で定められている六つの条件の詳しい内容を紹介します。
国籍法第5条第1項第1号 住所条件
住所条件では、申請をする時点で、引き続き5年以上日本に住んでいなければならない、とされています。
「引き続き」というのは、長期間の空白がないという意味です。
例えば、プライベートな旅行や在留資格の途切れなどで数ヶ月日本を離れていた期間がある場合は、「引き続き」ではなくなってしまうので、条件を満たしていないことになり申請できません。
国籍法第5条第1項第2号 能力条件
能力条件では、申請者が日本の法律と母国の法律で成人していることとなっています(※1)。
成人していなければならない理由は、帰化した方がご自身で法律を遵守することが必須だからです。
簡単にいうと、日本の法律を理解して遵守し、罪を犯した場合は判決に従える能力が必要なので、客観的にその能力を有していることが認められる「成人」であることが条件となっています。
※1日本では「18歳」から成人となります。
国籍法第5条第1項第3号 素行条件
素行条件は、日本の法律や地域のルールを守って生活できることです。
日本の治安を悪化させるような犯罪行為や交通違反、税金の滞納など「素行不良」と呼ばれるような行為をしている場合は、一般常識のもと社会通念によって素行条件が当てはまっているかどうかが判断されます。
国籍法第5条第1項第4号 生計条件
生計条件というのは、生活に困らず日本で暮らせる財力があるということです。
働いていない、生活に困窮しているなどの状況では、この条件を満たすことはできません。
ただし、申請者自身が生計能力を持っていない場合でも、家族に資産や技能があり、安定した生活を送れるのであれば条件を満たしているとみなされます。
国籍法第5条第1項第5号 重国籍防止条件
日本では国籍を重複して取得できないので、母国の法律がどのようなものであっても、無国籍もしくは母国の国籍を喪失していることが条件となっています。
国籍法第5条第1項第6号 憲法遵守条件
日本政府の見解や対応に暴力やテロで対抗することを計画したり、主張をしたり、反政府の団体を結成したりする人は、憲法遵守条件を満たしていないので申請できません。
日本に対して危険な思想を持つ団体に所属している人も、帰化の申請はできないため、怪しい団体に加入するのは止めましょう。
条件に当てはまらなくても申請できるパターンとは?
基本的には、上記で紹介した条件を満たしていないと申請できません。
仮にできたとしても、帰化は認められない可能性が高くなります。
しかし、申請者の状況によっては条件が変わって許可が下りることもあるので、条件を満たしていない方はどのようなパターンであるのか、ご自身が当てはまるかチェックしてみましょう。
出生が日本である
住所条件では、日本に引き続き5年以上滞在していなければいけないとなっていますが、出生が日本だった場合には例外になることがあります。
申請者が日本生まれで、継続して3年以上在留しており、実父母のどちらかが日本生まれで住所を有している場合は住所条件が緩和されます。
日本人と結婚した
日本人の配偶者がいる場合は、住所条件と能力条件が緩和されます。
日本人と結婚しているのであれば、日本に3年以上在留しているだけで住所条件を満たすことができます。
もしくは、日本人と結婚して3年以上経っていれば、1年以上の在留でも条件をクリアできます。
また、このパターンの場合は成人でなくても申請をすることが可能です。
日本人の実子である
日本人の実子で住所が日本にあれば、5年以上在留していなくても、未成年でも、経済力がなくても申請できます。
ただし、両親が生活保護をうけていて、その状況を改善する意志がない場合は「生計条件」が緩和されないので注意が必要です。
また、日本人の養子でも住所条件や生計条件、能力条件が緩和されますが、1年以上日本に住所があること、また縁組みをする時点で未成年であることが条件となっています。
帰化の申請はプロに相談しておこう
帰化の条件はすべて国籍法で定められており、内容も明確になっているので、条件を満たしてさえいれば簡単に申請できて許可が下りるイメージがあるかもしれません。
しかし、実際の手続きは複雑で、少しの不備でも申請が認められないことがあります。
条件を満たしていることを証明する書類を揃えるのにも時間がかかりますし、面接審査にも事前の対策が必要なので、帰化に関するお悩みは橋本法務会計事務所へご相談ください。